・ドリカムの新作の他、注目のニュースについて。
・まず、今週はアルバムランキングの下位に注目点がある。サザンオールスターズ「海のYeah!!」が1998年の発売から現在でも売れ続けている現象については、当サイトでも幾度となく取り上げているが、今週をもってついにサザンオールスターズ「海のYeah!!」が、2000年発売の倉木麻衣「delicious way」の累積353.0万枚をわずか86枚ながら上回り、歴代ランキングにおいて逆転を果たしたのである。

サザンが歴代ランキングを更新するのは先日ELTの「Time to Destination」の352.0万枚を逆転して以来。そこからさらに1万枚を上積みし、今回の逆転に至った。今週は、ちょうど桑田佳祐がシングル「ヨシ子さん」を発売しており、その効果とみて間違いない。しかし、2016年にもなって、桑田の新曲も3年ぶりで話題性があったとはいえ、18年前のベスト盤が再浮上するのもすごいものである。これもベスト盤を乱発していないからに他ならない。

倉木麻衣を逆転したとなると、次は360万枚を誇る宇多田ヒカル「DEEP RIVER」である。しかしこれは逆転するとしても相当の時間が必要である。今までのELT、倉木麻衣のようにトントン拍子にはいかないものである。

・宇多田ヒカルがニューアルバム発売を決定した。アルバムというかCDの発売は、2010年のベスト盤以来で6年ぶり、オリジナルアルバムはあのミリオンセラーにまで到達した2008年の「HEART STATION」以来で8年ぶりである。

宇多田のアルバムといえば、これまでの作品はほとんど歴代レベルのメガヒットばかりであった。しかし、10年前の2006年の「ULTRA BLUE」以降は急激にパワーダウンし、ミリオンすら割れる状態であった。しかし2008年の「HEART STATION」では再び盛り返しミリオンを記録し、初めてアルバムが前作を上回ることになった。そして2010年のベスト盤は、再び大きく後退し、初動23万、累計も43万枚ほどにとどまってしまった。

そんな状況の宇多田。今回の収録曲は、2012年発表の「桜流し」、そして今年発表され確かなヒットを記録している「花束を君に」「真夏の通り雨」である。その他はすべて新曲だという。よって、初めてシングルのないアルバムということになる。シングルのないアルバムといえば、2010年にミスチルが「SENSE」を発売し、大きく勢いを落としている。しかし、今回の宇多田との違いは、シングルではなくともすでに発表された楽曲があり、さらにはすでにヒットを記録している点である。「SENSE」の場合は、発表された楽曲はあったが、明確なヒットを記録した状態ではなかった。その違いが今回可視化されるのか、みたいところである。

肝心の売上は、まずは2010年のベスト盤にどこまで迫れるかだろうか。シングルなしのオリジナル、注目作とはいえ、ブランクもかなり大きい。そして2016年はまったくもってCDは売れない。2008年よりは確実に売れなくなっている。宇多田の久々のCDアルバムはどう動くのだろうか。

・ドリカムが今週裏ベストを発売している。昨年と同じく、七夕に発売され、同様にデイリーでも1位となった。しかし、裏ベストであるため、当然のことながら前作比大幅減である。累計は3日間で8.1万枚にとどまっている。前作は、初日から7万→6万→4万という動きで、3日間ですでに17万以上売れていたため、差は歴然としている。あとは今回がどこまで売れるのかである。

ただ、今回は3日目で前日から半減以上という大きな下落をみせている。前作は粘りの推移が最大の特徴で、2ヶ月にわたって週間1位争いに関わるほどであった。そして、今週の新譜発売に伴い、前作はついにデイリートップ10に返り咲いている。今後売上を伸ばせば、週間でも2作連続トップ10入りするかもしれない。今回のドリカムは大幅減とはいえ、ドリカムに対する支持の大きさは改めて示されているはずである。

繰り返すが、3日目の大幅減は気になるところ。前作では半減以上という急落はおそらくなかったはずである。3日目の推移を見る限り、前作のような大ヒット、ロングヒットはやはり厳しいとみえる。また、今回は裏ベストとはいえ、1993年にミリオンセラーとなった「go for it!」や、1996年のシングル「そうだよ」といった、シングル曲も収録されている。また、アルバムタイトルやパッケージ・ジャケットも前作を踏襲している。ファンでなくとも、魅力的な作品であると思われるが、果たして今後の売上推移はどうなるのだろうか。

(3.9→3.0→1.2=累積8.1万枚)