8~9月の主なヒットについて。
・シングルでは、SMAP「世界に一つだけの花(シングル・ヴァージョン)」の勢いが専ら話題となっている。今年1月から始まった売上回復の勢いが、どうやらこのまま年末年始、年明けまで、このまま通期で1年以上となる期間で、続いていきそうな情勢である。つい先日は、CHAGE&ASKA「SAY YES」の累計を抜いたことで、公式記事で話題となっていた。チャゲアスのSAY YESといえば、SMAPのデビュー曲が1位を阻まれた曲であり、25年を経た今、デビュー日である9月9日を含む週に累計を逆転したという、運命的な現象についても、ネット上で議論されていた。その前には、Mr.Childrenの「Tomorrow never knows」の累計も逆転しており、当初は考えられなかった300万枚突破が、かなり現実味を帯びてきている。

現在「世界に一つだけの花」は累計280万枚を突破。そんな中でも、未だデイリーランキングではトップ10に定着している。この安定ぶりからすれば、今後再び勢いが沈静化したとしても、年末年始頃には話題性が再度加熱するはずであり、そこで売上も再加速することはもはや不可避だと考えられる。300万枚突破がいつになるかは不明だが、遅かれ早かれ達成される可能性は高そうだ。

今年度の売上の面でみても、20万枚を突破しており、今年発売のシングルのほとんどを上回っている状況。ちなみに、カラオケランキングでも同曲は浮上しており、影響は多方面に及ぶ。今年発売ではないにもかかわらず、今年のシングル市場を代表する一作となっているのは間違いない。

・一方アルバムでも、専ら目を見張る一作がある。RADWIMPS「君の名は。」である。同名映画のサントラという形式の作品であるが、収録曲の「前前前世(movie ver)」が配信を中心に大ヒット。その影響でサントラまで爆発するという、アナ雪と同じようなスタイルである(規模としてはアナ雪には当然及ばないが)。

ラッドはこの猛烈な追い風により、まずアルバムでは初となる1位を獲得。おまけに、アルバムの長期に渡る枯渇により、ついでのような流れで2週連続の1位を獲得した。初の1位から2週連続1位を獲得する例は、2011年、2013年にマキシマムザホルモンが記録している。

順位面では無論好調だが、肝心の数字自体も、特異な動き。粘りがあるのは言わずもがなであるが、3週目の時点で週間売上が回復している。この2016年にこのような動きを見せるのは到底不可能としたものだが、特別な勢いがあれば今の時代でもまだなし得るということか。

そしてこのアルバム・配信、そして本体の映画も合わせて大ヒットしている中、カラオケランキングにもラッドが初登場。最新の結果では、「前前前世(movie ver)」がいきなり4位に初登場。ラッドがカラオケ上位に登場するのは稀である。カラオケランキングはほとんど動きのない、変化のない作品群ばかりであるが、そこに分けて入ったラッド、今後カラオケの動きも注目である。

・その他、カラオケランキングについて。ラッドがいきなり4位に初登場したのは大きなトピックである。「世界に一つだけの花」をはじめ、「夏祭り」などのシーズンもの、「海の声」「糸」「ひまわりの約束」「トリセツ」といった不動のメンツなどがある。あとは、JY「好きな人がいること」が浮上しているのが目立つ。KARAの元メンバーによる楽曲だが、これもまた月9主題歌。最近の月9主題歌のヒット率は極めて高く、ほぼもれなく配信・カラオケでヒットする。視聴率は低迷が続くが、楽曲のヒット・浸透においては影響が大きいというのは、どういうことなのか。視聴率もあまりあてにならないのだろうか。