今週も有力な新譜はなし。この1ヶ月で週を追うごとに存在感を増しているYOASOBIが、今週もさらに順位を上げている。
・YOASOBI「夜に駆ける」が今週も好調。他作品をほぼ寄せつけない圧倒的な強さを見せている。カラオケでも「白日」「マリーゴールド」と同等の勢いにまで成長しており、YOASOBIだけではなく今年を代表する曲となるかもしれない。先週はTBS系でビートたけし、安住紳一郎がMCを務める「情報セブンデイズ」で特集も組まれ、ボカロ系アーティストとともに紹介されるなど、メディアへの露出も増えている。
また「夜に駆ける」だけではなく、今週は最新曲の「ハルジオン」も順位を上げ始めた。先週までは「夜に駆ける」の独走状態だったが、今週は「ハルジオン」がそれに迫り並走する時間帯もあった。「あの夢をなぞって」もやや順位が上昇傾向であり、YOASOBI全体の勢いがまだ成長途上にあると考えられる。

・瑛人「香水」が今週はMステで歌唱はなかったようだが出演した効果で、週末に一気に上昇。「夜に駆ける」に迫っている。楽曲を試聴したところ、ギター一本のシンプルなサウンドと瑛人のボーカルのみという構成。このシンプルさはかつて大ヒットを飛ばした作品に通じるところがある。
90年代から順に並べていくと、Le Couple「ひだまりの詩」、Kiroro「長い間」、ストロベリーフラワー「愛のうた」、植村花菜「トイレの神様」といった面々で、いずれもシンプルなサウンドにより突如予想外の大ヒットを起こした作品である。これらの作品の共通点は、世間がシンプルなサウンドを忘れかけた頃にヒットすること、一発屋的にヒットし次の作品につながらない、といったところ。今回の瑛人も似たような印象があり、「香水」以降のヒットも続いてほしいところである。

・LiSA「紅蓮華」は今週も特に変わらず。「夜に駆ける」などにはおされているが好調をキープ。ただカラオケでも徐々に「夜に駆ける」が迫っており、「紅蓮華」も安泰ではないかもしれない。

・Official髭男dism「I LOVE...」「Pretender」が今週も先週に続き上昇を見せている。理由はわからないが、粘りは相当なものである。King Gnu「白日」もKing Gnuの楽曲の中では孤軍奮闘ながら驚異の粘りとなっている。

・SEKAI NO OWARIの新曲「umbrella」が今週数少ない新譜として登場。当初は高順位だったが現在は順位を落としている。

・米津玄師「馬と鹿」が今週も上位入り。そして今週は米津サイドから久々のビッグニュースが入り、8月5日にニューアルバムの発売が決定。タイトルは「STRAY SHEEP」でジャケットイメージも公開された。米津の公式ツイッターでも「何かしら」の情報公開が示唆されていたが、ニューアルバムというビッグニュースであった。
今回の注目は、なんといっても歴史的大ヒットとなった「Lemon」が初収録されるアルバムであること。この「Lemon」収録の話題性は絶大なはずであり、ライト層への訴求力も抜群だと考えられる。懸念されるのは、米津サイドの動きが今年は少なくライト層の購買意欲が若干未知数なこと、「Lemon」も発売から2年以上経過し未だに上位で売れているとはいえライト層の動きがどうなるか、といったところ。ただ現在の音楽業界で「Lemon」はもはや最強のコンテンツ・楽曲であり、初収録アルバムの売上はまちがいなく注目されると思われる。

・あいみょんがしぶとい。今週も上位に「裸の心」「マリーゴールド」が確認され、下位にはおそらく「ハルノヒ」が入っていると思われる。「マリーゴールド」こそカラオケで大ヒットしているが、実は「ハルノヒ」もカラオケで下位ながら安定ランクインを続けている。他あいみょん関連では、今週のMステでDISH//の北村匠海が歌唱した「猫」もあいみょんの作詞作曲だったりするなど、地味に活躍の場も広い。先日は平井堅とのコラボで「怪物さん」も発売されている。こうして数えてみると、目立っていないが実は多方面で活躍しかつ自身の楽曲もロングヒットしており、それがしぶとさの要因かもしれない。